学長の挨拶
高等教育・研究機関における女性の活躍は、国際的に推進されているジェンダー公平の一環です。
「世界に翔く地域の信頼拠点」をめざす大阪府立大学にとっても、女性研究者が活躍できる大学となることは、積極的に取り組むべき重要課題です。
そこで本学は、平成22年度に公立大学として全国で初めて、文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成事業」に採択され、平成24年度までは補助金事業として、平成25年度からは大学の自主事業として、女性研究者支援に取り組んできました。
そして、今年度(平成27年度)からは、文部科学省・科学技術人材育成費補助事業 「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」に、公立大学としては唯一、採択されました。
私は、平成25年度から2年間、女性研究者支援事業を担当する副学長を務め、本学にとってのこの課題を深く認識しました。
そして、女性研究者支援事業を理解し協力してくださる教職員は、この6年間に着実に増加したと実感しています。
本事業は全学を挙げて取り組まねば達成できませんので、教員はこの目的のために部局や専門性、キャンパスの違いを超えてつながることが出来てきました。
また、車の両輪として教員と職員がともに話し合い、研究環境の整備も進めました。これらは、女性研究者支援事業が創り出した素晴らしい“つながり”です。
さらに、今年度からはダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ事業で実施する「女性研究者の研究力向上」と「上位職への両立支援」によって、この“つながり”を強化していきます。また、本学は平成24年度に「学域制」へと改組を行い、理系部局だけでなく、文理融合を理念とする新しい学問分野を創出しようと「現代システム科学域」を設置しました。
工学や農学など女性の少ない理系部局に、多数の教員と学生がいる本学ですが、それらの部局における女性研究者の増加はもちろんのこと、この新しい融合的学域においてはさらに、多様な発想と女性研究者の活躍が期待されます。
公立大学としては、これらの取組みが産学官連携を含む地域社会での女性の活躍にも貢献するよう、取り組んでいきたいとも考えています。皆様のいっそうのご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。